当座比率とは、投資先企業の安全性を分析する一指標であり、企業の短期支払能力を判断する指標です。
計算式 : 当座比率(%) = (当座資産 ÷ 流動負債) × 100
当座比率が高いほど短期的な支払担保能力が大きいことを示します。
当座資産とは、現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券などを指します。
投資先企業の安全性を分析する類似の指標として、流動比率がありますが、流動比率では現金化までに時間を要する在庫が含まれていることから、これを含まない当座資産を利用することで、流動比率より厳しく支払能力を見ることができます。
当座比率は、「1:1の原則」ともいわれ、当座比率が100%以上あることが安全性の目安といわれます。
日本企業の全業種平均では、当座比率は80%強ぐらいです。
製造業平均では100%強ぐらいとなっています。
一般的に当座比率が高いほど安全性も高いと判断できますが、注意点もあります。
それは、会社の当座資産の中に、不良債権など現金化しにくいものが含まれている場合があることです。
ですから、資産内容もできるだけ詳細にチェックすることが重要です。
流動比率とは、投資先企業の安全性を分析する一指標で、流動負債(1年以内に返済すべき負債)を流動資産(短期間で換金可能な資産)がどの程度カバーしているかを示す比率のことです。
計算式 : 流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債
流動比率が高いほど、短期的な資金繰りに余裕があることを示します。
流動比率が100%以下であれば、短期的な支払のために、自己資本や長期負債が使用されていることになります。
これは、今ある借金を返すために、また新たな借金をしなければならないことを意味します。
この場合、新しくお金を貸してくれるところが見つからなければ、その時点でその会社は支払不能に陥り、倒産することになってしまいます。
「2:1の原則」とも呼ばれ、流動比率が200%以上あることが安心の目安といわれています。
日本の上場企業平均でみると全業種平均120%超、製造業平均で170%ぐらいです。
基本的に、流動比率が高ければ安全性が高いと考えてよいのですが、流動比率が100%を割ると絶対に危険かというと必ずしもそうとはいえません。
例えば、電力、ガス会社などは流動比率が低い事が多いのですが、回収は確実で現金化が早いビジネスモデルため、安全性は低くないと考えられています。
したがって、流動比率を分析するときは、業種・業態も見て、回収の確実性なども分析するとよいでしょう。
株主資本比率とは、投資先企業の財務体質の健全性を分析する一指標で、会社の総資産の中での株主資本(自己資本)の割合のことです。
計算式 : 株主資本比率(%) = 株主資本 ÷ 総資産 × 100
株主資本比率が高いということは、会社(株主)自身のお金が多く、負債などの他人資本が少ないことを意味します。
負債が少なければ、利払い費用などで収益が圧迫される可能性が低くなります。
株主資本比率が高い会社は、不景気などで業績が悪化しても、倒産の確率が低くなります。
反対に、株主資本比率が低い会社は要注意です。
特に、株主資本比率がマイナスになると、債務超過の状態ですので非常に危険です。
株主資本比率は、投資先の会社の財務体質の健全性を知る、重要な指標の一つだと言えます。
株主資本比率は高ければ高い方が財務体質が健全だと考えられますがは、業種によっても平均的な水準が異なりますので、同業者間で比較することも大切です。