業績不振が続く中堅鉄鋼メーカーの中山製鋼所が、三菱東京UFJ銀行など主要取引銀行約40行に、600億円規模の債権放棄を要請する方向で各行と調整に入ったこととの報道がされている。
再建計画をまとめ、12月中の合意を目指すとのこと。
ただ、中山製鋼所は「決定した事実はなく、何もコメントできない」プレスリリースしている。
中山製鋼所は、官民出資の企業再生支援機構と、筆頭株主の新日鉄住金にも債権の買い取りや増資による支援を要請し、私的整理での再建を目指す考えであるようだが、関西電力が電気料金の値上げを申請し、今後のコスト増が避けられない見込み。
収益改善が困難とみる取引銀行の中には、私的整理による再建を疑問視する声も強く、調整は難航する可能性があるようだ。
中山製鋼は鋼材の需要低迷や円高などで業績が悪化し、厚板工場の休止や人員整理などで収益改善を図っているが、平成24年4~9月期連結決算は3期連続の最終赤字を計上した。
ちなみに、中山製鋼所の株価は前日比22円高の62円。私的整理の報道を好感しているようである。
PR