第一中央汽船の2013年度3月期中間決算でゴーイングコンサーン注記が付いた。
(2012年度3月期決算ではゴーイングコンサーン注記がなかった)
第一中央汽船は東証一部の外航海運業であるが、リーマン・ショック以降の海運市況の低迷で業績が大幅に悪化。
大株主の商船三井(東証1部)による増資引き受けや保有船舶の絞り込みなどを骨子とした再建計画を策定、再建に取り組んでいる。
(以下は決算短信のゴーイングコンサーン注記の引用)
(4)継続企業の前提に関する注記
当第2四半期連結会計期間 (自 平成24 年7月1日 至 平成24 年9月30 日)
当社グループは、不定期船航路を中心とする海上運送事業を行っており、当社を中心として国外及び国内の輸送 事業を展開しておりますが、海運市況環境の低迷が想定を超えたため業績が大幅に悪化し、前連結会計年度に続き 当第2四半期連結累計期間におきましても 88 億8百万円の営業損失、108 億 36 百万円の経常損失、125 億 66 百万 円の四半期純損失およびマイナスの営業キャッシュ・フローを計上いたしました。その結果、今後の資金繰りに懸念が 生じる惧れがあります。これらにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており ます。 当社グループはこのような状況を解消すべく、平成 24 年度下期から平成 26 年度までの経営計画を現在策定中で あり、収益体質を改善することにより、損失を解消する対応策を講じて参ります。基本方針は、船隊のダウンサイズ化を 行い、リスクを企業体力に見合った範囲にとどめ、貨物と船腹のバランスのとれたドライバルク専業会社を目指すことで あります。 具体的には、次の対応策を順次とり進めております。
(1)リスクの軽減 大型船については、中・長期輸送契約を安定収益源とし、それに見合う船隊規模への縮小・適正化を図る。一方、 中小型船は船隊を縮小しつつも、より強く当社の独自性を活かせることから、その営業を強化し収益の向上を 図っていく。
(2)所有船の売却
船隊規模の縮小の一環として売却益と売却資金余剰が見込まれる船舶を売却していく。
(3)運航コストの圧縮
船舶運航の大半を占める燃料費を抑えるために、現在も実施している減速運航の更なる強化を行っていく。
(4)一般管理費等の経費の削減
既に実行中であるが、更なる削減の強化を行い、固定費の圧縮を進めていく。
(5)造船契約の解約
本経営計画の実施に当たっては、現下の低迷した海運市況下では、当社グループ自身の体力だけでは限界があり ますので、大株主・主要金融機関からのご支援を要請しご検討いただいていることに加え、船主・造船所等、当社に関 係するステークホルダーからのご協力もお願いする予定であります。 しかしながら、これらの対応策等は順次とり進めておりますが、上記経営計画は現在策定中であり、関係者への支 援・協力要請を含め今後実施していくため、現時点においては継続企業の前提に関し重要な不確実性が存在するも のと認識しております。 なお、当座の厳しい経営環境に対応すべく、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的に、平成 24 年 10 月1日付で株式会社商船三井との間で来年3月末までの融資枠設定契約を締結し、150 億円の短期運転資金 融資枠を設定していただきました。 また、当第2四半期末において借入約定における財務制限条項に抵触する事態も発生しておりますが、当該事象 に係る借入金110億円について期限の利益喪失の権利行使をしない旨、平成24年10月30日付けにて主要金融機関 からの同意をいただいております。 なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影 響を四半期連結財務諸表には反映しておりません。
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